トーク・ランチョン・ビート
FM那覇
平日12時~12時56分

 

貧困は自己責任なのか?

(奈良)
今日のトークテーマは「自己責任論」です。

(安里)
自己責任論?

(奈良)
読んで字のごとく、こういう状況にあるのは自分のせいだっていう考え方ですね。問題が起こるたびに「自分の責任」と思うかどうかっていう。

今の日本社会はこの自己責任論の考え方が蔓延していると言われています。

自己責任論とかっていうと難しい話だから、考え方によっては捉え方を間違える事もあると思いますので短く行こうかと。

で、今日はなぜこのような話をしたかっていうと、「#手取り14万円」がトレンド入りしててホリエモンさんのこのツイートがバズってたんだよね。

これの論点はどこかっていうと自己責任論っていう話になるのかなと思います。

日本人は特に自己責任論者が多いんですよ。国のことに関心度が低かったり、選挙に行かない人が多かったり。何かを変えようというよりは無関心な人が多いでしょ。

でもそう思う気持ちも分かる。なぜなら国を変えようと思うより、自分を変えたほうが早いから。

国を変えるってすごい大変なことですからね。しかも選挙だけで変わるかっていうとそうでもない。それでありながら国に対して怒り続けないといけない。何かに怒るって大変じゃない。

だから日本は自己責任を感じる人が多いわけ。

 

「自己責任感」に対する日本と海外の違い

 

(奈良)
実際に統計も出てますね。

『人が孤独を感じてる時に、その孤独は自己責任だと感じてる人の割合』が統計として出てます。

結果から言うと、イギリスが11パーセント。アメリカが23パーセント。日本人は突出して44%の人が孤独な状況は自己責任であると感じてる。

(安里)
自分が孤独なのは自分のせいだと?

(奈良)
そう。

孤独にも色んな考え方があるけど「自分は今、社会の中で孤独を感じている、寂しさ感じている。これを選んだのは自分の結果で自分せいなんだと考えている」と。

なぜこんなに日本の割合が高いかっていう明確なことまでは分かってないんですけど。

自分が孤独なのは自分の自己責任だと思って生きることは生きづらい世の中だと思うんだよね。こういうのが自殺率にも繋がってると思う。

少年たちの自己肯定感や自分を認める気持ちも低い。半数以上が自分を肯定していないとも言われてますね。

だから基本的に日本というのは、そういう風に自分のせいだと思う気持ちが強いんだって。

自己責任論に関係する統計が他にもあります。

貧困問題に関する意識調査で、『貧しい人たちの面倒を見るのは国や政府の責任であると思うか』という調査ですね。

要するに国に責任があるのか、もしくは貧しい人自身に責任があるのかってどう考えてるかっていう話。

自己責任じゃないと思う人は

ドイツでは7%
イギリスは8%
中国は9%

ほとんどの海外の人は貧しい人への支援は国や政府が行うべきだと思ってるという結果ですね。

じゃあ日本はどうかっていうと38%

こんなに日本と海外って違うんだよっていう話ですね。

(安里)
そこまで国に頼ってない感じもしますもんね、日本だと。

(奈良)
そうだよね。

責任の置き場所は決めるけど、投票にいかなかった俺が悪いとは思わないよね。

投票に行ってやることをやるっていう考えだったら世の中変わって行くと思う。

自己責任論を突き詰めると、投票に行かなかった俺が悪い、だから投票に行かなきゃいけないって考えるようになると世の中変わると思う。

でも貧しいのはお前のせい、苦しいのはお前のせいで話が終わって、「今の現状を変えよう」じゃなくて、今こういう風にダメなのは俺のせいだ、もうこの話は終わりだっていう感じになってしまうんですよね。

(安里)
Twitterのトレンドに入ってたことに関してもみんな「日本終わってるな」ってマイナスの方に同意するけども、じゃあどうやったら日本を変えられるかっていう話をみんなでしていければいいんじゃないかなって思いますね。

 

自己責任論は良いのか?悪いのか?

 

(奈良)
具体的に自己責任論って、良いものなのか悪いものなのかという話なんですけど。

自己責任論も、日本終わってるなって日本に全て責任を押し付けるのもどっちも良くないなと思ってて。

リーマンショックっていうのがあって色んな国が大不況に陥った時に、「自己責任でいこう」っていうのを考えた国がギリシャで。

 

自己責任論的な政策をとったギリシャの結果

(奈良)
ギリシャは弱ってる人や困ってる人たちを助けるお金を削ることにしたんだよね。

国もお金がなくて大変だったから、後はもうみんな自分で頑張れって。

世界中からお金の援助があったんだけど、援助に全部えぐい条件がついてたりして、

その時についてた条件っていうのが政府の社会福祉に関わる支出、つまり弱い人たちや困ってる人たちのお金を削れっていう条件。もともとそこにお金を使いすぎてたから。

それでギリシャは他国からの援助をもらうためにそこの支出を減らしたわけ。

国民はもちろん大反対したけど、国は「もう無理だから自分で頑張れ」って。

その結果どうなったかっていうと、多くの人が仕事がなくなって家を差し押さえられたりして。

仕事も家もなくなったら心身の健康が悪化してしまって、病院に行っても国の政策で医療費が削られてしまったから医療費も安くならずに病院代が高くなって病院にもいけなくなった。

それでホームレスが激増したって。

ギリシャではホームレスの方が2009年から2011年の間に25%も増えたんだって。

で、同時に治安が悪化して行くんですよね、お金がないから奪わないといけないって。

(安里)
負の連鎖ですね。

(奈良)
それで殺人事件も増えて行く。リーマンショック後から数年で2倍になったと。

先進国の問題として認識されてなかったHIVの感染者も50%増、麻薬の使用者も激増、うつ病患者も自殺者も激増ということでね。

国が国民に「貧困から自分たちで這い上がってください」ってするとこういう感じになってしまうんですよね。

で、ギリシャは今もこの時のことから立ち直れていない。いろんな問題が増え広がってその後始末でいっぱいいっぱいになってしまってる。

 

助け合う道を選んだアイスランド

 

(奈良)
同じリーマンショックの時期に、反対の方向の道をとった国があった。それがアイスランドっていう国。

アイスランドは今すごくいい経済状況にあるんですよね。

アイスランドは自己責任論ではなくて、みんなで助け合おうっていう選択をとった。

2008年の10月6日にアイスランドのテレビで緊急放送があって、リーダーである首相が「アイスランド今国家の危機に直面している」ってテレビで言ったんだって。

アイスランドは金融大国として急成長を遂げていた国だったからリーマンショックによる被害も大きかった。

それで他の国から援助をもらうってなったけど条件がギリシャと同じだったんだよね。

援助の条件は社会保障に充てる費用を削るっていう。

それでアイスランドはどうしたかっていうと、その条件を受けずにみんなで支え合うっていう選択をとったんだって。

この選択をどう選んだかっていうと、国民投票を行ったと。

援助を受けて貧しい人の支援を削るか、それとも国のために援助を受けるかっていうのを国民に選ばせた。

その結果、93%が援助を受けることを拒否したんだって。

しかも国にお金がなくてどうしようもないって時にアイスランドは社会保障に充てるお金を増額したんだよ。

(安里)
この厳しい中で!

(奈良)
厳しいけどさらに増やした。

それで負債が広がって行ってインフレに回って行くんじゃないかって世界中の有識者から警告されたんだって。多くの人を助けるのはいいかもしれないけど、それは破綻への道だぞと。

でもアイスランドはその施策をとって経済的に復活したんだって。国民の人たちは元気な状態でこの危機を乗り切った。

色んな対策を取ったんだけど、そのうちの一つとしてアイスランドは失業対策でハローワークみたいな職業安定所の予算を大幅に増やして仕事を辞める人を止めたわけ。

家のローンが払えない!って人には国が援助して助けてあげた。だからホームレスも増えなかった。

医療制度も維持されてきたから、病んでしまっても治療を受けることができる。

うつ病や自殺者も2007年から一貫して減少、2012年の国連幸福度調査報告ではアイスランドが上位にランクイン。

アイスランドはこの不況の中でも自己責任論ではなくて国民投票までしてみんなで助け合うって道を選んでこの逆境を乗り越えたと。

 

まずは「おかしい」ということに気づくこと

 

(奈良)
でも日本の半分くらいの人は自己責任論に納得していて。お金持ちの人から「お前らが悪いんだよ」って、「お前らがちゃんと選ばなかったから給料を上げたかったら転職すればいいでしょう」って言われて「そうだよね」って。

でも例えば夢持って介護福祉士とって、そうやって人のためにやるって思った人がなぜこの安い給料で働かなきゃいけないのって思わないといけない。

でも自己責任論の人は気づかない。自己責任論の人は自分が悪いという話で終わってしまう。

そこでおかしいと気づく人は国のために声をあげられるんだよ。「なんとかしようぜ、このままじゃだめだぜ」って

「だから選挙行こうぜ」って話に繋がる。

今はインターネットが普及してるから簡単にネットでバズるから、みんなでこういう話をどんどんすればいい。

自己責任論の話で「自分は給料14万円しかない」で終わってたら何も変わらない。

だけど、「この国をなんとかしないといけないと思う、おかしいと思う」って発信したら議論が生まれると思う。

そうしたら議員さんとかが取り扱ってくれて議会に出たりするわけ。

論理的な話として、自己責任論とみんなで支え合って国が責任を取る社会、どっちの社会が素晴らしいかっていうと色んな状況が絡み合ってるとしても、俺はアイスランドの選択が素晴らしいと思う。結果的にアイスランドが伸びてるから。

でも日本は自己責任論の人が成長してるから、日本はどっちかっていうとギリシャに近い選択をしようとしようとしてるんだよね。

こういう話をすると「自己責任ってそういう考え方じゃないでしょ!」っていう人もいるのと思うので、僕の一意見として捉えてください。

意見はある方はこちらまでお願いします。番組で取り上げます。ご指導ご鞭撻をお願いします。

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