ビジネス天国沖縄
FMぎのわん
金曜13時〜14時

TBSラジオ「全国こども電話相談室・リアル!」のDJであり、厚生労働省主催「RED RIBBON LIVE」総合プロデューサー、大阪大学で「教職論」の講師も14年目務めた山本シュウさんが登場。レモンの被り物をした「レモンさん」として、自身の活動やその原動力を語りました。

パーソナリティ:新里哲也
アシスタント:まなみ
ゲスト:レモンさん(山本シュウさん)

自走する人間を育てる5ステップ

左)新里さん・右)レモンさん

新里:1月20日(月)には、沖縄県総合福祉センターにて「スポーツメンタルコーチング勉強会」を開催されましたね。

レモン:今回は、障害者のイベントで講演会をするために沖縄に呼んで頂きました。それともう1つ、僕自身プロのスポーツメンタルコーチでもあるので「お節介な勉強会をしていかないと」と考えまして。沖縄では2回目になるんですよ。

僕、お節介なんですよ。全国で子育てや人権、地域を育てる内容の講演をしていて、NHK Eテレで、生きづらさを抱える人たちの番組、バリアフリーバラエティー「バリバラ」のメインMCを務めてお節介してます。ラジオDJも、お節介な仕事じゃないですか。

「今日は母の日! テーマは“母の日のプレゼント”」……ほっとけや!って(笑)。おせっかいな活動、略して“お節活(おせっかつ)”の一環です。

新里:「スポーツメンタルコーチング勉強会」はどういう内容なんですか?

レモン:怒らない指導法とはどういうものなのかを伝えます。僕たち昭和世代はなかなか理解できませんよね。僕は野球部やったけど、新里くんは何部やった?

新里:バスケ部です。

レモン:厳しいところ、いっぱいあったよね?

新里:厳しかったですね。「(練習中に)水飲むな!」とか。

レモン:殴られ蹴られ怒鳴られ……よく生きてましたよね、僕ら(笑)。

昭和は、戦後の日本を立て直すために必死の時代でした。日本国民が一丸となり、ある種の軍隊式というか。

そんな時代では“ラジコン人間”、つまり指示を待つ人間が必要とされました。当時もし、先生や先輩の指示に歯向かおうものなら、鼻血が出ましたよねでも今の時代は違う。

昔は子どもに「なんで挨拶せなあかんの?」と聞かれても、「それが人と人とのコミュニケーションの入り口だ!」と怒鳴って終わったけれど、今の子どもは「じゃあ出口どこやねん」って言い返す(笑)

我々にとっては意味が分からない時代だけど、誰にも怒鳴られていない羽生結弦選手が金メダルを獲るじゃないですか。つまり時代は自走できる人間を求めている。

それは、自分で考えて行動して、失敗してもそれを糧にして、次の作戦を練ることができる人間のことです。

そんな自走できる人間の育て方を伝えます。スポーツだけでなく、子育てや社員教育している人にも役立つと思いますよ。

そういうことをやっている人はほとんどいないので、僕は借金してキャンピングカーを買い、勉強会をするために日本中を回ったんです。函館では勉強会の参加者が4人しかいなかったけど(笑)

自走する子を育てる“ソムリエの5ステップ”

新里:具体的には、どのように自走できる人間を育てるんでしょうか。

レモン:実はソムリエと一緒なんです。ステップは5つ。

1つ目は、メニューを出すこと。ソムリエは「こちらがワインリストです」とメニューを差し出しますよね。それと同じで、子どもと一緒にメニューを作るんです。例えば学校選びなら、4校くらい洗い出してみる。

2つ目は、アドバイスをすること。ソムリエも「このワインはこのお肉に合います」って言うでしょ。お父さん、お母さんは、自分の人生観や経験から子どもにアドバイスするといいです。

でも、最終的に選ぶのは子どもだということを覚えておいてください。お客さんがワインを選ぶように。

3つ目は、テイスティングすること。これは、理解を深めるためにリアリティのある情報を集めること。文化祭に実際に行ってみたり、先生に話を聞いてみたり。

4つ目は、決断すること。親が決めたらダメですよ。子どもに決断力を身につけさせるんです。

5つ目は、責任をとらせること。ワインリストから自分でワインを選んだら、その代金を支払うのが当然ですよね。それが責任。子どもにも、選択に対する責任をきちんととらせるんです。でも、責任をとらせることと罰を与えることは違いますよ。

ビジネスでもよく使われますが、PDCAを回す観点ですね。プランを決めて、実行して、結果どうだったかチェックして、次のアクションに落とし込む。

僕は、子どもが小さいときからそれを心がけていました。これはスポーツの面でも有効です。

例えば、履正社高等学校の岡田龍生監督は2002年、部員に暴力を振るって謹慎処分になりました。でも、そこから“怒らない指導法”を勉強し、第101回「夏の甲子園」での優勝へ導いたんです。

サッカーの森保一監督も、選手の気持ちを優先してタイミングを見計らったり、ラグビーの岩出雅之監督も、自立できるチームの作り方を勉強した結果、帝京大学のラグビー部は9連覇を成し遂げました。

つまり、怒ると萎縮してチャレンジ精神を打ち砕く危険性があるので、昭和の我々が情報さえ仕入れて、バージョンアップすればいいだけなんだということ。

新里:そういった学びを活かしながら生きていくと、人生が豊かになりますよね。

レモン:そうですね。会社に入ってからでも役に立つと思いますよ。

“おせっ活”の原動力


新里:精力的な活動をされている山本さんですが、その原動力は何ですか。

レモン:「気づいたから」ですかね。

十数年前に沖縄のひめゆりの塔に行った時の話です。

そこでは“ひめゆり学徒隊”だったおばあちゃんが修学旅行生に一生懸命説明する姿を見ていたんですが、生徒が去った後もおばあちゃんはずっと立ったまま。隣にパイプ椅子が置いてあるのに。

思わず「おばあちゃん、座ってください」とお声がけしたら、「立っていて、膝が痛むくらいがいいのよ。私の同級生はみんな亡くなってしまったから、膝が痛まないと心が痛む」って…。

それで僕、泣けてきて。

ほかのおばあちゃんも言ってましたね。爆破の衝撃で(建物などの)破片がまだ体のなかにたくさん入っているらしいんです。天気の悪い日には右肩が痛むそうですが、「それが嬉しいの」って。

それ以降、広島や長崎はもちろん、日本中にある戦争関連の資料館を訪れました。

そして「おじいちゃんやおばあちゃんからバトンをもらった俺らは、何してんねん。俺はなんて格好悪い大人に成り下がっていたんや」と気づいたんです。今の子どもたちは自殺したりいじめられたり、僕らの同世代の親御さんたちも苦しんでいたり…。それで「何かをやらなあかん」って思って。

ドイツのベルリンでの体験

あとは、ベルリンの壁が崩壊した後のドイツに行ったんですが、そのときのことも心に残っています。

あと1ヵ月我慢したら死なずに済んだ、俺と同じ年齢の子がいたことを知って。自由を求めただけなのに殺されてしまった彼と、ディスコにも行けるしロックも聴ける自由な日本育ちの僕。「亡くなった人たちのためにも、自由を謳歌せな」と思わされました。

そして、僕の親友の死も大きい。彼は大学4年生のときに阪神タイガースに入団が決まっていたのに、不治の病が発覚し、半年後に亡くなったんです。彼の分も生きなければと。生きているからこそ、悲しみも苦しみもつらさも、喜びも嬉しさもある。それを全部味わってやろうと。

いろんな出来事にインスパイアされるなかで、「僕だけ気づいていてもあかん。必死で伝えな!」と考えるようになりました。その1つが“怒らない指導法”。

僕たちは激動の昭和を生き抜くために、いろんな“昭和のICチップ”を埋め込まれました。相手の話を聞かなかったり、絶対自分が正しいと思ったり、すぐ感情的になったりするチップですね。

それを、勉強会を通じて「そういうことなんや」と納得したり、「時代が変わっただけで僕らが悪いわけではないんや」と気づいたりすると、じゃあどうすればいいんやって勉強し始めることができるでしょう。誰も責められず、悪者にもならない。そういう未来に行きたいんです。

新里:その考え方が浸透していくと、スポーツだけでなく会社や経済も変わると思います。

レモン:いい返しやね(笑)。でも、僕のこういう話に「なるほど」と思える人は、もともとそういう感性の引き出しがある人。時代の洗脳によって閉じてしまった扉を、僕はノックしてるだけ。“お節活”してるだけなんです。

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レモンさんの活動予定やSNS

レモンさんの公式サイト:
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レモンさんのTwitter:
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レモンさんのYouTube:
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