みみぐすいラジオ
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『泡盛王子』という肩書きで泡盛の歴史や素晴らしさを広げる活動をしている仙波晃さん。泡盛の歴史や秘密を知ることで今まで知らなかった沖縄の歴史と泡盛の楽しみ方が分かる話をしています!

泡盛を知れば世界を知れる

玉城:本日のゲストは泡盛王子の仙波さんです。簡単に自己紹介をお願いしてもいいですか?


仙波:
泡盛王子という肩書を使わせて頂きまして、沖縄で泡盛を中心に話をさせて頂いております仙波と申します。

普段は出張のイベント等で泡盛についてお話させて頂いています。


玉城:
仙波さんて、どこのご出身ですか?


仙波:
四国の愛媛というところからやってきました。約10年前くらいに沖縄に来ました。


玉城:
『泡盛王子』という肩書きになった経緯とかってどんな感じだったんですか?


仙波:
泡盛王子というのは、以前勤めていたお店でお客さんの方に付けて頂いたニックネームみたいなものです。

仙波という名前よりも泡盛をもっと皆様に知ってもらいたいなというので、仙波ですっていうよりも泡盛王子ですって言うように使わせてもらっています。

もう泡盛王子って言っていいのかもう微妙ですけど、おじさんなので(笑)


玉城:
初めてお会いした時に『何年にこのお酒ができて〜』とか年号まで、仙波さんスッと出てて驚きました。なんでそんなに泡盛に詳しいんですか?


仙波:
私もお勉強は大嫌いだったので、歴史なんかも全然興味なかったですし、そのつけが来たのか、泡盛に出会ってからすごく頭に入ってくるんですね。

初めから泡盛に出会ったってよりは、最初は沖縄の歴史を勉強してました。


しゅーぴー:
泡盛が最初ではなくて、沖縄を知ろうっていうきっかけから泡盛を知ろうと?


仙波:
沖縄に来たきっかけというのが就職なんですけども。

その時にした仕事が営業で、人と話をする仕事だったので沖縄ってことをもっと知りたいなって思ったことがきっかけです。

先ずは沖縄の空手のエントリーシートを見て、初めに沖縄の人たちの名前から覚えました。

名字が独特だったので、そこから入っていって。いろいろ沖縄の歴史をという中で、泡盛に出会いました。


玉城:
営業で人を知って、沖縄を知って、沖縄から泡盛の歴史を知ってきたのが今に繋がっているんですね。


仙波:
そうですね。沖縄に来てなかったら泡盛にも出会ってなかったですし、県外に居ても泡盛ってなかなか目にするものじゃないので。

 

泡盛は人の力と自然の力でできる

 

仙波:こんな小さな島にたくさんの酒造所がありますからね。これ世界から見たらすごいことだと思うんですよね。


玉城:
沖縄県の中にどれくらいの酒造所があるんですか?


仙波:
今46ヶ所ですね。県外でなかなか泡盛を見ないってことは、多分その多くは沖縄で消費しているんじゃないかな。

それも知らない方が結構いらっしゃいまして、それを知るだけでも結構面白いですね。

土地によって色んなお酒があって、なぜこの味になったかとかって、土地に由来したりしてて。


玉城:
由来とかもあるんですか?


仙波:
地域で水も違いますし、沖縄の南部と北部では気温差もありますので、そういったとこだけでも違います。作る人によって違ったりとかもしますね。

ウイスキーとかもそういうストーリーがあったりしますけど、泡盛もちゃんとそういう背景やストーリーがあったりというところが結構面白いです。


玉城:
泡盛っていつぐらいからあるんですか?


仙波:
1,400年位からあると言われていますけども。

蒸留ってやっぱすごいことなんですよね。醸造酒というのが日本酒とかワインとかっていうちょっと度数が低いお酒です。

作り方を言うと、入れ物にブドウが落ちて、そこに酵母菌、イースト菌と言いますけど、それが入って、糖分をアルコール分解してできるのがワインで、これが醸造酒。

そこって実は人の力って必要ないんですよ。人がいなくても出来ちゃう。すごく神秘的なお酒で自然の力で出来ちゃうんですよ。

醸造酒が生まれなかったら蒸留酒にならないので、醸造酒から蒸留酒になるんですよね。

醸造酒を火を焼いて起こして、水分とアルコールを分ける方法を蒸留っていうので、火を起こすのは人間だけで文明だけだと思うんですよ。

そうなると、人の力と自然の力が加わってできるのが蒸留酒っていうことになります。

魔法のお水で腐らないんですよ。


玉城:
何十年物とかで古酒ってありますもんね。水って普通は腐りますもんね。


仙波:
すごい大発見なんですよね。


玉城:
普通のお水でも期限があるわけじゃないですか。

酒は古くなったらむしろ高くなるというか、価値が上がって腐らないですもんね。


仙波:
それだけでもすごいなーと思いますけどね。

日本の蒸留酒の始まりはよく泡盛って言われますので、泡盛がなければ焼酎っていうのも無かったかも知れないですし。


玉城:
泡盛が先なんですか?!焼酎の前に泡盛が出来たってことですか?


仙波:
100年くらいの差があったと思いますよ。

日本のお酒を変えているんですよ。

日本の歴史になると、江戸時代に江戸にもけっこう重宝されてたって話を聞くんですね。

そのとき江戸の人たちは、「何だこれは」と。飲んだら元気になる、身体が熱くなる、これは長寿の薬ではないかと。

また消毒液として使ったりして大人気で、向こうではすごく流行ったっていう話を聞いてます。


玉城:
それまではお酒があったはあったけど、蒸留酒がなかったんですか?


仙波:
蒸留酒はない!

それを真似して作ったのが、粕取り焼酎じゃないかなとか。

日本酒を作るときに絞った粕をもう一度発酵させて作るお酒なんですけど、それを蒸留して粕取り焼酎っていうのを作るんですね。

向こうでは泡盛足りないからどうしようかっていうところで、やっぱり日本酒を作った後のものを再利用して蒸留酒を作って、これもしかしたら泡盛っていうお酒が影響を与えて出来たんじゃないかと。

そう考えるとすごいですよね?私の想像も少しありますけど。


玉城:
でも、それが歴史的に時系列から見たらあり得るということですよね。

 

 

海外の人をおもてなすお酒だった?

 

玉城:泡盛は実は600年前からあって、焼酎よりも早かったってことで、蒸留酒の中では日本の中で一番早かったという話なんです。

今46ヶ所の酒造所があって、泡盛の文化が沖縄に根付いて当たり前になったのとかってどういう背景があるんですかね?


仙波:
泡盛は元々、一般的なお酒ではなかったっていうのはよく聞きますね。

原料に由来するとこもあると思うんですけどすごく貴重なお酒で、泡盛の原料ってお米を使うんです。

お米っていうのはすごく貴重な原料で、日本ではお金と同等の価値があったりとか、年貢として納めたりするものですから、そのお金と同等の価値があるものを食べずにお酒に変えるってのはすごく貴重だと思うんですよね。

しかもそれを醸造して絞ったら水もたくさん取れるんですよ。

それを蒸留して、蒸留ってそこから水を取るわけですから量が減るわけですよね。

凝縮して量を減らしていることになります。しかもそれを作ってすぐ飲むわけでもなくて。

やっぱり泡盛って古酒っていうお酒がありますので、そこから何十年、何百年という熟成に入るわけです。

当時は何百年古酒っていうのも当たり前にあっただろうし、何百年も作るってとこは一人で出来ない訳ですよね。

何百年という熟成を得て出来るお酒なので、それを飲めるのは一部の人だけですね。


玉城:
普通に居酒屋に行ったらあったりとか、スーパーにもあるし、当たり前になっているから貴重さを感じにくいですけど、それを考えるとすごい。


仙波:
当時は芋焼酎を飲んでたって話を聞きます。沖縄ってやっぱり芋文化ですので。

野国総管さんっていう、芋を中国から持ってきた人で有名ですけど。一般の方はお米じゃなくて芋を食べてたと思うんですよね。

てことは、お酒っていうのはその土地で主食になるものを原料にすることが多いので、芋を中心に色々な穀物を入れてお酒を作っていたんじゃないかなと。


玉城:
泡盛ってお米だけど、ほぼタイ米?


仙波:
そうですね。主にインディカ種が使われますね。


玉城:
なんで沖縄の米を使わないんだろうといつも思いますよね。


仙波:
沖縄ではあまり量が採れないんですよね。

元々泡盛っていうのは、首里の赤田・鳥堀・崎山っていう3つの村でしか製造してはいけないという、王様の許可制でしか作れないお酒だったんですよ。

ちゃんと管理されていて、多分国家プロジェクトとしてやってるもんで、海外の人達をおもてなしするために使う献上酒とかに使われるような基本的にそういうお酒だったと思うんですよね。

どうしても琉球って小さいので、喧嘩じゃ勝てないんですよ。日本みたいに鉄砲撃って追い返せないんですよ。

黒潮が良い流れしているので、海流に乗って漂流してやってくるんですよ。

「帰れ」って言えないんで、おもてなしするしかないんですよね。

その中でやっぱり最高のおもてなしをすることによって、しっかり気持ちを思いたてて、琉球の価値を示すために泡盛って重要だったんじゃないかなと思っているんですけど。


しゅーぴー:
国を守るためでもあるってことですよね。泡盛自体が。

 

お米が取れない沖縄で泡盛を作る

 

仙波:沖縄って土地が少ないのでお米はなかなか採れないわけですね。

でも、泡盛を作るにはお米を使わないといけないと。芋だと他のとこでもいっぱい採れるから、それでお酒作って贈ってもあんまり喜んでもらえないと。

ということはお米を使うしかないということで、色々な国からお米を集めたと思いますよ。

例えば朝鮮からお米持ってきて作ってみたりだとか、中国からお米持ってきて作ってみたりだとか、色々な国と貿易で仲良くしていました。

それで作った中で一番良かったのが、インディカ種のタイ米だったんじゃないかな。

蒸留技術もそちらから入ってきたんじゃないかなともよく言われるんですけども、元々泡盛が出来る前もタイの方から購入していたと聞きます。

タイ米ってパラパラしているので、蒸留で焼くときに焦げにくいので扱いやすかったんじゃないかなと。

失敗すると処罰があったっていうのも聞きますね。

王様からお米を預かっていたらしんですけど、ミスしたら島流しだったりとかで。まさに命懸けです。

 

泡盛の歴史を知れば世界の歴史が分かる

 

仙波:また、ちょっと面白いのが、泡盛を作っていたのって女性なんじゃないかなっていう話もあるんですね。

戦後の蔵持さんからたまに話を聞くことがあるんですけど、首里の方からおばあちゃんとかを呼んで、おばあちゃんからお酒作りを教わったって話を聞きまして。

酒作りって実は女性の仕事だったって話なんですよね。

よく私が想像しているのは、女性の方が菌達を操るのが上手だったんじゃないかなと。

海外のお酒は酵母菌だけ扱えればお酒出来ちゃうんですけど、日本のお酒はちょっと違くて。

お米って通常は糖分からアルコールが生まれますよね。

糖分を酵母菌が食べてアルコールが出来るメカニズムですけども、お米って糖分じゃないですよね?

お米ってデンプンなので、まずデンプンを糖分に変える作業をしなくちゃいけないんですよ。日本のお酒は麹菌と酵母菌っていう菌が必要なんですよね。

麹菌、酵母菌とかの状態を見て、ちゃんと把握する必要があります。

例えば「暑いのかな?寒いのかな?」とか、寒かったら毛布掛けてあげようかなとか、暑かったら扇風機かけてあげようかなとか、そういう感情を読み取るのって男性女性どっちが得意だと思いますか?


玉城:
確実に女性ですよね。


仙波:
そうですよね。女性って敏感で、お酒作りに向いてたんじゃないかなと。

その中で力仕事もいくつかあったと思うので、男性も少しは入ってたと思いますけど。

だんだん時代が過ぎて商業化していく中で、祭り事や政治なんかでも使われたりとか、お酒が利用されてくると男性がやっぱりどんどん入ってくるわけですよ。

商業化すると力仕事ももっと増えてきますので、それで今男性的になっているんじゃないかなと思いますけど。

トゥジって言えば沖縄の奥さんを表す言葉と、杜氏(トウジ)さんは同じ原語なんじゃないかという話もよく聞いたりします。その辺りでもやっぱり共通点があるんじゃないかと。


玉城:
すごいですね。沖縄の泡盛の話しているのに、なんか日本とか世界とかの話になってますね。


仙波:
琉球はもう世界ですよ。世界の歴史を知らないと理解出来ないのでそれはけっこう面白いところだと思います。

私が初めて沖縄の歴史を勉強した時に気になってたんですね。

その時日本って何やってたかなていうのを調べたりとか、その時中国って何やってたんだろうってのを調べると、やっぱ琉球と繋がってくるんですよ。

沖縄の歴史ってやっぱアジアの歴史だなーと、それをやっていると泡盛っていうお酒もそこに出てくるってのが面白いですよ。


しゅーぴー:
沖縄を知ると歴史が楽しくなりますよね。沖縄の完結した歴史だけを学校で習っていたから、なんかこう繋がらないというか。


仙波:
そうなんですよ。だからもうこれは泡盛の授業は学校で教えないといけませんね。

中学校とか高校でしっかりと歴史としてお伝え出来たらすごく面白いなと思います。

 

泡盛を楽しむために

 

玉城:お酒出す時とか含めて、こういう風に飲んだ方がいいんじゃないみたいなのとかってありますか?


仙波:
基本的には、人それぞれ自由だと思っているんですけど、その人が一番好きな飲み方で飲むのが一番いいと思います。

適量を知るのが一番良いのかなっては思ったりしますね。

特に泡盛という蒸留酒は、蒸留によって水分とアルコールをしっかり分けて、旨味を凝縮してくれているので、日本酒とかワインのように量を飲んでしまうとあまりよろしくないですよね。

100年とかいう時間を感じる、先人の想いを感じたりとか、思いをはせるっていうのも一つの健康的な飲み方じゃないかなと思いますね。

飲む用だけのところに、そういったストーリーだとか背景を楽しみながらお酒と向き合うっていうのも、これは別にストレートだけじゃなくて水割りで割ったときも、ロックで割ったときも、そういう想いで飲むと、ガバガバいかないんじゃないかと思います。

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